はじめに

「北海道における主要死因の概要」は、この巻で第8巻目となります。第1巻は1982年から1989年までの8年間を対象としましたが、第2巻以後は、すべて10年間が対象で、第2巻の対象は1983年から1992年まででしたので、2003年から2012年までを対象としたこの第8巻までで、ちょうど30年間にわたる本道の主要な死因の状況を報告してきたことになります。

この間、日本人の生活習慣は、喫煙率などをはじめとして、微妙に、あるいはかなり変化しており、各種死因(生活習慣病が大きなウェイトを占めている)の消長に影響を与えています。これまでの本シリーズの、隣り合う巻の間における差はそれほど大きくはないものの、30年間というスパンで見ると、明らかな変化傾向が見て取れる疾患もあります。また例えば、自殺による死亡の状況は、社会経済的な状況に大きく影響されることが指摘されており、この30年間に起きた円高不況・バブル経済の崩壊などの影響が読み取れる結果も、これまでの巻において見られました。

この間に医療は確実に進歩し、それによって救命・延命される数は増加しているはずなのですが、最近の人口の高齢化はそれを凌いでいるようで、死亡者の絶対数は増加しつつあります。また、社会の高齢化に伴って、医療保険や年金保険などのシステムが将来にわたり維持できるのか、またTPPによってわが国の医療がどのような影響を被るのか、現段階では確実に見通すことはできせん。北海道は人口減少が始まって久しく、自治体によっては人材と施設の不足などから医療・保健・福祉が既に崩壊に瀕しているところもあり、これから先、道民が、これまでのような保健環境を享受できるのかは、不透明と言わざるを得ません。

いずれにせよ、将来の北海道全体としての、あるいは地域における保健政策を考えるに当たっては、過去のデータを把握・精査することが欠かせません。「北海道における主要死因の概要」を各種保健施策の立案等に活用していただければ幸いです。

平成28年12月

三宅浩次

西 基